2016年10月5日水曜日

キャシ・マクドナルドは、ジャニスではない!

女性ボーカリストの中で、出色だと称されるには、他の誰にも似てない事が重要だ。
例を挙げるとすれば、フィービー・スノウとか、リッキー・リー・ジョーンズ、
ルーシー・フォスターとか、その個性が光り輝いている事が条件だとも思う。
歌い方や声質だけが似ているだけで、〜のフォロワーだとか言われるのは、彼女たちに
してみれば、迷惑極まりない事であろう。
冒頭のタイトルにも書いてはいるが、キャシ・マクドナルドの心の中を推し量る事はできないけれど、きっと、「キャシは、ジャニス・ジョプリンの再来」だとか、フォロワーなどと言われる事は、本意ではなかったであろう。僕の勝手な推測ではあるが、、、。
確かに、ビッグ・ブラザー&ホールディング・カンパニーと一緒に演ったとしても、キャシは、キャシ以外の何物でもない。
また、リオン・ラッセルのバックで歌っていたからと言って、「キャシはスワンプ系のロック・シンガーだ。」などと言われる事に、あまりいい思いはしていなかったに違いなかった事だろう。
キャシについては、知り合いから、キャシの1stアルバム、"Insane Asylum"(1974)
邦題では「精神病棟」 などと言うアシッド・ロックでも思い起こさせるようなタイトルがついているが、このアルバム自体が彼女の最高傑作と言ってもいい。
 この音源を初めて聴いたのは、知り合いからCD-Rでもらった時であり、その素晴らしさに、改めて音盤として購入しようとしたら、もうすでに、iTunesストアからのデジタル音源のダウンロードだけになってしまっていて、アートワークなども落としたが、その詳細はなかなか分からずにいた。まぁ、ニルス・ロフグレンや、ニール・ショーンなどのクレジットがあるにはあったが、スライ・ストーンの名前はなかった。
前述で、このアルバムがキャシの最高傑作と書いたが、なぜかこのアルバムの最後の曲、
皮肉にも、タイトルチューンの"Insane Asylum" の出来栄えが圧倒的なボーカルの掛け合いで最高なんやね。「百聞は一見に然り」 と言うけれど、ご一聴願いたい。
これを聴いてしまったら、あとはどうでも良いようなものと、暴論をしてしまいそうなのだが、詳細は省いてしまうが、1999年にリリースされた、"Above & Beyond"が、これまた素晴らしい出来なのだ。
キャシのボーカル・スタイルを一言で言うのは難しいけれど、ちゃんとルーツ・ミュージックを基にしていて、その上で彼女の緩急自在なボーカルを紡いで行くと言うか、
やたら滅方な作り方をしていない所がこれまた彼女の魅力を引き出していると言ってもいいだろう。このアルバムの中で、"I Put Spell On You"だけを聴いたら、ジャニス!と
言ってしまいそうだが、さにあらずなのを含んで置いた上で聴いて欲しい。
※"I Put Spell On You"

最後に、これまた、デジタル音源しか存在しないのではあるけれど、1997年〜2000年
のキャシの音源で、スタジオ録音も含めて、ライブ音源をまとめた、いわば追悼盤(2012年没)とも言うべきアルバムが、MERRIMACK RECORDSから、2014年にリリースされて
いたので、ご紹介しておこうと思う。 アルバム名は、"Yard Bird"と言うが、ここからは
あえて"Hoochie Coochie Man"とも思ったが、敢えて、ジャズの名曲"God Bless The Child"をアップして、締めておく事にしよう。 これまた、味わい深いキャシの違った面が伺えると思う。
※"God Bless The Chld"

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